プロに聞く。“転職35歳限界説”が壊れつつある理由
転職を考えているあなたに。リクナビに聞くリアル
■筋肉(その人ならではの強み)をいかせば“転職35歳限界説”なんて関係ない
「“転職35歳限界説”というものもありましたが、そうした常識はどんどん壊れています」
仕事を遂行する(もしくは、課題を解決する)「筋肉」を正しく認識し、うまく使うことで、年齢というハードルを越え、業界や職種を超えて転職の可能性がひろがる、というのだ。
「仕事をしているうちに、自分では意識しなくても仕事を遂行する(もしくは、課題を解決する)“筋肉”は沢山ついています。これはよく言うんですが、例えば塾の教室長は、そこで培った筋肉をいかして携帯ショップに転職してマネージャーとして大活躍できるんです」
全く違った職種に共有する筋肉とはなにか。
ひとつは親御さんとコミュニケーションをする力。塾で直接指導するのは生徒だが、お金を出し子供に塾に通わせる決定をしているのは親御さんだ。生徒を増やし売り上げをあげるためには、親御さんとしっかりコミュニケーションをとって、自分の塾に通わせるメリットをアピールしなければならない。これは携帯ショップでも同じ。ショップでも学生が親と一緒に来店することが多い。隣に座る親を納得させられるかが契約のカギとなる。
もうひとつはマネージメント能力。塾であれば、自分ひとりで授業や管理をするわけではなくアルバイト、パート、契約社員などを雇いまわしていくが、同様のマネージメント力は携帯ショップでもしている。つまり優れた塾経営者であれば、携帯ショップに職場を移しても活躍できる。
こうした仕事の筋肉は、なかなか自分ひとりでは気づきにくい。例えば、塾の教室長が転職先を探す際には、検索のキーワードは、「教育業界」「教師・講師」を入れる人が多いだろう。逆に、「通信機器業界」「店長・販売マネジャー」を入れて探す人は皆無だろう。
そこでキャリアアドバイザーや転職エージェントと話をすることが必要になるのだ。これまでのキャリアを因数分解しながら、自分の筋肉を確認する。そうすれば、転職のチャンスは壁を超えてどんどんひろがっていく。